高島屋別館の玉虫厨子のレプリカ
資料館の方のお話や資料を総合すると ○鱗翅学会が創立15周年の記念に何かやろうということで、玉虫厨子の復元が提案されたのが昭和33年のことです。しかし、多大の時間と莫大な費用が必要ということで半ば頓挫しかけていました。 ○学会の津田松苗博士が奈良県文化財委員に相談したところ、奈良市の古美術商にレプリカが置いてあることが判明し、高島屋の学会員の助力によりこれを買い取りました。このレプリカには透かし金具がついていなかったので、乃村工藝社の手で復元が図られました。 ○タマムシは新聞発表をして全国から集め、約15000匹のタマムシを集めることができました。 ○このレプリカを解体したところ、昭和15年北村大通以下数氏が紀元2600年を記念して製作したことが分かりました。 ○昭和35年9月末、タマムシ5348匹を用いて、玉虫厨子の復元が完成しました。このレプリカは昭和35年11月11日から23日まで、高島屋大阪店で開催された「昆虫科学展覧会」に出品されました。 レプリカを観察すると、このときの復元は上記の大正14年の調査結果には必ずしも忠実に従わなかったと見られる点がありました。すなわち、須弥座、台座にいたるすべての透かし金具の下にタマムシが配置されていた点です。法隆寺に飾られている透かし金具のレプリカはこのときに作られたものでしょうか。また、後ほど得られた山田博士の文献と比較すると、一部タマムシの翅鞘の向きが違うところも見られましたが、かなりの部分で一致していたことは逆に注目されます。つまり、あまり先入観なしにタマムシを配置しても、1000年前とほぼ同じ向きが再現されたという点です。いずれにしても、当時の装飾の様子を知る貴重な資料であることは間違いありません。また、40年を経てもまったく輝きを失わないタマムシを目の当たりに見ることができるので、構造色の威力をまざまざと知ることができます。 一方このことから、少なくとも日本にはレプリカは2基存在することも分かりました。高島屋資料館の方のお話しによれば、所在ははっきりしないが、現在日本にレプリカが3基あるとのことです。 |